2013年6月6日木曜日
多賀城市立図書館の「ツタヤ」委託(報道)――教育委員会は市長の追認機関か?!
6月4日の多賀城市議会全員協議会の様子を『多賀城民報』第914号に掲載しました。しかし見ずらい点もあろうかと思いますので、一部補筆しブログにアップしました。
6月4日午後、多賀城市議会全員協議会が開催され「子ども・子育て支援新制度」等の概要説明とともに、図書館移転問題について市教育委員会から改めて「5月22日の定例教育委員会に報告し、概ね了解を得ている」との追加説明がありました。
この問題について、他会派議員からも「定例の教育委員会で図書館の移転問題が議題となり確認されたということか」との質問が出され、市教委事務局は「議題としてではなく、会議終了後に情報提供ということで説明をした」と答えました。同市議が「それはおかしい」と述べたことに対し、教育長もその指摘を認めました。
また藤原益栄市議が「その際に説明に使った資料を出していただきたい」と求めたところ、市教委事務局は「資料は出していない。口頭で説明した」と回答。藤原市議は「図書館は昭和42年の仙塩合併を阻止した後、『歴史文化都市をめざそう』と最初に造った施設で、35年の歴史がある。その施設の移転を、資料もなく、議題にもなっていないのに『概ね了解を得た』などと言うのはあり得ない。教育委員会は市長の追認機関なのか」と厳しく批判をしました。
これらの質疑により、改めて市教委で議論することになりそうです。
同説明会で藤原益栄市議は菊地市長に対し、「教育委員会がなぜ地方自治体に設置されているのか」「図書館の所管はどこと認識しているか」と尋ねました。市長は「(29日の説明会で述べた)教育長と同様の認識だ」(注)、「所管は教育委員会と認識している」と述べました。
藤原市議は「その認識は正しい。しかし実際には、市長は教育委員会の権能を飛び越えてマスコミに情報を提供し世論誘導を図っているとしか思えない。『どういう図書館をめざすのか』という議論がなされてもいないのに、なぜ『ツタヤ』と委託先が出て来るのか。日頃『市民との協同』などと言っておきながら、市民無視、議会軽視もはなはだしい」と厳しく批判しました。
市長は「(マスコミに)ツタヤなどと一言も言っていない」「『担当者同士は会っているのかなと思う』などと話してはいない」など弁解に終始しました。
(注)教育長は『教育事業の政治的中立性、公平性、一貫性を保つため』と述べています。
コラム【東風城月】普通、役所が重要問題を決定する時は住民の声や議会の意見を大事にする。それは、市長のポケットマネーで事業をするならともかく、税金で仕事をするのだから当然である▼だが耳を疑うようなことが多賀城で起きている。35年間の図書館の事業を総括してもいないのに、次期の「図書館基本計画」策定も今からなのに、なぜか市立図書館を大手レンタルショップのツタヤに運営を委ねることが決まっているらしい▼もっともこれはマスコミの報道で、市は「決定したのは駅前への移転だけ」としている。これはこれで全く所管の教育委員会を無視した決定である。市教委は市長の追認機関だとでも思っていたのだろうか▼なぜこういうことになったのか?。手法まで佐賀県武雄市を真似たのでは?。とにかく武雄市長はすごいのだ。突然図書館をツタヤに委ねる「基本合意」を発表する。「合意」は議会に出さない。気にいらない議員は名指しでブログで攻撃する…▼図書館に併設していた歴史資料館「蘭学館」は閉鎖しCDやDⅤDのレンタルショップとして有償で貸し出すことにした。言動、手法、内容ともに、歴史文化都市の品位ある市長が真似をすることではないと思うのだが…。
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