2013年7月28日日曜日

高さ3メートルのところに児童書がずらり…

日本共産党多賀城市議団として、24日午前中に伊万里市の図書館、午後武雄市の「図書館」、25日午前、指定管理から直営に戻した小郡市の図書館を視察して来ました。さしあたらり武雄市の「図書館」を見ての感想を綴ることにします。

①まず高い書架に圧迫感を感じました。個人差もあるのでしょうが、解放感と対極にある施設に、少なくとも私は「いつまでもいたい」などとはまったく思いませんでした。
②座って閲覧できる場所も少なく、「座りたい方はスタバにどうぞ…」と誘導されているようで不愉快に感じました。
③一番びっくりしたのは、高さ3メートルのところに児童書がずらり…。「いったいこの本は飾りなのか、読んでもらいたいのかどっちなんだ」と益々不愉快になりました。そして隅に追いやられた読み聞かせの場所…。子どもがとても粗末にされているように感じました。
④それは子どもに対してだけではありません。新聞コーナーも奥に追いやられていました。
⑤二階の回廊式の30メートルにわたる高さ4メートルの高架書架の一番上は張りぼて。CCCは張りぼてがとても好きなようです。上から二段目には『朝日新聞』の縮刷版。ご存知のとおり、新聞は、妹尾河童さんがそれを使って『少年H』を書いたように、実証的に歴史を検証するにはとても大事な資料です。それが高さ3.7メートルのところにずらり。やはり活用して欲しいというよりも飾りにされている感じです。しかも「高所の書籍をお入用の方はスタッフにお申し付けください」と張り紙があるのですが、二階にはスタッフはいませんでした。
⑥武雄市の首脳は「蘭学館は閉鎖したのではなく移動したのだ」としていますが、展示は申し訳程度に映りました。
⑦書店としても雑誌中心で、とても中途半端に思いました。そもそもあのスペースに書店スペースを設けること自体が無理ではなかったか、と感じました。
 総じて、「もはやこれは図書館ではない」というのが私の率直な感想で、「なぜマスコミが無批判にもちあげるのか、まったく理解できない」との思いを強くしつつ帰途につきました。

 他方伊万里の図書館は素晴らしかったです。それはのちほど…。

2013年7月17日水曜日

「新多賀城図書館の企画・設計のCCCへの依頼は中止せよ」

 日本共産党市議団は11日の記者会見を受け、次の見解を発表しました。

(1)図書館とは「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクレーション等に資することを目的とする施設」(図書館法第2条)であり、幼児からお年寄りまで、静かな環境のもとで安心して使用できる施設であるべきものである。ところが今、数十億円の巨費を投じつつ、菊地市長とCCCとの間で図書館から大きく逸脱する施設が造られようとしている。
(2)その一つは、図書館の中にツタヤの営業フロアーばかりか、カフェ、レストランも設置され、お酒まで提供される予定である。また利用者の利便や安全性は軽んじられ、超高架書架は武雄市のそれをさらにエスカレートさせ、三層にしようとしている。これはもはや図書館とは言い難く、図書館の蔵書に囲まれた書店とレストランというべきものである。
(3)いま問題だらけのこの構想が、議会や市民には真相を隠しつつ、「所管は教育委員会」と検討を委ねがらさっさと企画設計をCCCに委ねるなど、教育委員会をも愚弄し、武雄市以外の図書館を見たことがない市長により独断的に強行されようとしている。もし強行するなら、取り返しのつかない施設を造ることになると同時に、市と市民の関係もくずれ、市長も人間的信頼を失うなど大きな代償をはらう結果となることを指摘せざるを得ない。
(4)日本共産党多賀城市議団は心ある市民のみなさんと共同し、新図書館のCCCへの企画設計の依頼を中止するよう強く求めるとともに、問題の解明に引き続き奮闘するものである。

2013年7月12日 日本共産党多賀城市議団

新多賀城ツタヤ図書館では酒も提供!?

 各紙は12日、多賀城市と「ツタヤ」を経営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)との連携協定の内容として、多賀城市は多賀城駅前に移転予定の新図書館の企画設計段階から、CCCの企画提案を受けると報じました。
◆新図書館内にレストランとカフェをつくり酒も提供する
 その内容としてCCC側も「レストランとカフェのある図書館」(同社ネット配信記事)をめざすとしており、『朝日』(12日付)はそこでお酒を提供する予定であるとCCCの意向を報じました。
 『朝日』の記事は以下のとおりです。
   見出し「多賀城ツタヤ図書館正式発表/ポイント付与検討/レストランで酒も」
   本文「大人には併設のレストランで夜に酒を飲めるようにする」。
 「併設のレストラン」とは、図書館の外に併設されるレストランではなく「図書館内」であることは明白です。
 図書館内にレストランとカフェをつくる予定であることは、記者会見当日、CCCが持参したイラストでも確認することができます(ネット上で見ることができます)。
 これに対し市民からは「市長はいったい何を考えているのか」「これでは子どもをひとりで図書館にやれなくなる」等の批判や不安の声が出ています。
 これはもはや図書館ではありません。周りを図書館の蔵書で装飾したお酒の飲めるレストランです。


新多賀城ツタヤ図書館はもはや図書館ではない

◆CCCが考える図書館は――三階ぶち抜き、床から天井まで三層の超高架書架
 11日の記者会見に用意されたイラストにより、CCCが考える新多賀城ツタヤ図書館の概要も明らかになりました。
 それによると、新図書館は三階ぶち抜きで、床から天井までの超高架書架を三層にし、壁いっぱいにこれまでの図書館の蔵書を並べます。そして一階フロア―はツタヤの雑誌売り場やレンタル店、レストラン、カフェにするというものです。 超高架書架は武雄市でも問題になっていますが(高さ3・9㍍)、上の本は何の本か見えず、手にするのも巨大な脚立が必要になります。利用者の利便性と安全性はまったく顧みられていません。
 結局武雄市同様、これまでの図書館の蔵書はツタヤの景観づくりに利用されるということになりそうです。
◆数十億円もかけ「ツタヤ」以外に使いでのない建物にして良いのか
 CCCが考える建物は三階ぶち抜きで、二階三階フロアーは一部だけ…。数十億円もかけ、ツタヤ以外には使いでのない建物にしてよいのでしょうか。図書館は半世紀にわたり使用する施設です。本当にCCCに図書館の企画・設計をまかせてよいのか、いま一度、市職員、教育委員会、議会、市民みんなが冷静に考えるべき時ではないでしょうか。

2013年7月11日木曜日

多賀城市長、突然「CCCと連携協定締結の記者会見をする」と発表

 7月9日午前に行われた多賀城市議会東日本大震災調査特別委員会で、菊地健次郎市長は突然「駅前への蔦屋書店の出店とまちづくりへの企画提案を内容として、7月11日にCCCと共同の記者会見を行う」と発表しました。 記者会見は、11日正午に東京で、午後5時に多賀城で行うとしています。
 私は「明後日会見というなら何らかの合意文書ができているはずだ」と文書の提出を求めましたが「文書はない。内容は『蔦屋書店の出店』と『東北随一の文化交流拠点づくりの企画提案』でその他については今後協議していくことになる」と述べ、文書提出は拒否。
 さらに「図書館の運営をゆだねることについては合意内容に入っているのか」と質したところ、「(現時点では)入っていない」との答弁。
 この特別委員会は「補正予算に計上している復興交付金事業(特に清水沢多賀城線)について事前に説明をしたい」との当局からの申し入れで開催したもの。こうした市長表明があることは、全く議会に知らされていませんでした。私は「やり方まで武雄のまねをするのか」と批判しましたが、こうした進め方について与党会派からも批判の声が出ました。

2013年7月1日月曜日

多賀城「図書館をツタヤにまかせてよいのか―新図書館を考える市民のつどい」に90人!

 6月30日午後、「くらしと民主主義、史跡・緑を守る多賀城懇話会」「多賀城図書館友の会」主催による「図書館をツタヤにまかせてよいのか―新図書館を考える市民のつどい」が市内で開催され、市内外から90人が参加。常世田良立命館大学教授の講演、武雄市の井上一夫氏の報告を聞き、「図書館の書店化は許さない」の決意を固めあいましました。

 参加者は佐賀、滋賀、大阪、東京など各地からもあり、あらためて「多賀城が第二の武雄図書館になるのか」と注目されていることを実感しました。

 私も報告しましたが、経過についてはこれまでブログで発表してきたとおりです。今後の問題として、①武雄市図書館の実態をできるだけくわしく知ること、②どういう図書館が欲しいのか、すべきなのか、よく話し合い、市当局とも意見交換を丁寧にすすめること、を提起しました。

 
 常世田氏は「いま社会は自己責任社会――自ら情報を集め自ら決定しなければならない社会になりつつある。ところが情報は、書店、ネットともに一面的にならざるを得ない。その中でバランスよく系統的に資料を集めているのが図書館。いま図書館の情報で就職したり起業したりする例も出ている。今は図書館の出番」と語りました。

 
 井上氏は図版を駆使し、以前の武雄図書館と今の武雄図書館の比較を丁寧におこない、「ひとことでいえば図書館の書店化だ」と語りました。
 私としては超高架(3.9㍍)の書架がなぜ30㍍も造られたのか疑問でしたが、「それが最も良く見えるのはツタヤの雑誌置き場のところ。図書館の本がツタヤ書店の景観づくりに利用されたのでは…」との指摘にえらく納得。そういえば仙台市・泉のツタヤ書店にも本の壁紙が使われていました。

 常世田先生が言っていました。「図書館には3年目のジンクスというのがある。開館当初は物珍しさもあり入館者は多い。だが、3年目に試練を迎える。努力しない図書館は入館者が極端に減り始める。良い図書館は継続する」。情報によると多賀城以外にもCCCに運営を委ねることを考えている自治体がありそうです。「書店のような図書館にするのは慎重に」と改めて思いました。






写真上:「つどい」全体の模様。

2013年6月21日金曜日

18日のツタヤ図書館問題への一般質問の回答は以下のとおりでした。

 全国から注目されている多賀城市立図書館のツタヤ委託問題で6月18日、午前11時25分より60分間、一問一答で一般質問をおこないました。私への回答概要は以下のとおりですした。

1.一連の「ツタヤ図書館」報道について市長に問う
(1)市長のポケットマネーならいざしらず、市の事業は税金を使って実施するのであるから、重要な政策決定をする場合、市民の声や議会の意見を大事にするのは当然と考える。しかるに今、今後いかなる図書館をめざすのか、まったく論議されないうちに、委託先だけはCCCに決まっているかのように報道されている。これは、行政の意思決定過程としてありうべからざる事態と考えるが、市長の見解を問う。また、なぜこういう事態になったと認識されているか問う。
【市長】私は図書館をツタヤにまかせるなどと一言も言っていない。

(2)市長は3月末、武雄市の図書館を視察されたようであるが、どういう理由で視察先に選び、どういう感想をもち、またどういう評価をお持ちか。
【市長】私は代官山のツタヤ書店がすばらしいと思い、武雄市の図書館を視察に行ってきた。

(3)市長は委託業者を「1ヵ月以内には決めたい」と語ったと報道されている。それは本当か。またすでにCCCと何らかの約束をしているのか。
【市長】1ヵ月以内の決定というのは都市計画決定のことで、図書館の委託先のことではない。CCCとの約束は何もない。

(4)図書館をにぎわい創出の手段と考えるのではなく、図書館法が示す理念にのっとり図書館らしい図書館を追求する中で、結果的に賑わい創出にも貢献するというのが図書館問題への正しい接近の在り方と考えるが、市長の見解を問う。
【市長】そのとおりと認識している。

(5)「図書館行政は教育委員会の所管」という認識について問う。
【市長】所管は教育委員会であり、総合調整の権限は市長にある。

2.今後の多賀城市の図書館について教育長に問う

(1)図書館の駅前への移転には、①一定時間無料の駐車場の十分な確保、②十分な書庫の確保、③移動図書館車継続のための施設等が前提と考えるがいかがか。また、指定管理ありきの移転なら移転自体に賛成しかねる。
【教育長】①②はともに大事なことであり、③も継続する予定だ。

(2)次期図書館の構想は、35年間の図書館事業の総括のうえに次期「多賀城市立図書館基本計画」策定の過程で慎重に検討すべきものと考えるがいかがか。
【教育長】そのとおりと考えている。

(3)次期「基本計画」は、社会教育委員や図書館協議会はもちろん、広く利用者・市民の声を集約し策定すべきものと考えるがいかがか。
【教育長】そのとおりと考えている。

(4)「基本計画」策定のスケジュールを明らかにされたい。
【教育長】25年度中には策定する予定だ。

(5)以下については次期「基本計画」でも重視すべきであると考えるがいかがか。
ⅰ「史都」に相応しい長期的視野に立った系統的な書籍の収集。ⅱ郷土資料の収集と整理・保存・公開。ⅲ職員のレファレンス力の向上。ⅳ他図書館との連携。ⅴ学校図書室との連携。ⅵ司書の力量の向上等。
【教育長】いずれも図書館法で規定している需要な事項で、今後とも重視していく。

(6)以上の事業の推進のためには直営が不可欠と考えるがいかがか。
【教育長】今後慎重に考えてゆく。

3.市史編纂の資料収集ならびに公文書館について

 本市は「史都」を標榜しているわりに近現代史が疎かにされている感がある。よって以下の点につき問う。
(1)『市史』完結後、市史編纂室は解体したままとなっているが、資料収集は継続してされているのか。また現状の体制で十分とお考えか。市史編纂室の再開が必要と考えるがいかがか。
【市長】埋蔵文化財調査センターで収集している。市史編纂室再開は時期尚早と考えている。
(2)公文書の保存と整理はきちんとされているか。公文書館が必要になっていると考えるがいかがか。
【市長】公文書館については今後検討してゆく。

6/18 多賀城市長「武雄市以外の図書館は見ていない」と答弁…

 6月18日の一般質問で武雄市の図書館に対する認識をいろいろ市長に尋ねました。

 
 藤原「武雄市図書館の書庫はどうなったかご存知か?」に市長「………」。
 藤原「蘭学館がどうなったかご存知か?」に市長「………」。
 要するに市長は図書館をCCCに委ねたこと以外何の関心ももっていなかったということ。
 あまりの関心のなさにあきれて
「市長はほかの図書館を見たことがあるのか?」
と尋ねたところ、なんのためらいもなしに
「ない!」。

 ある程度は予想してはいたものの、こうはっきり言われては…。

6/18 「武雄市の図書館は真似するべきではない」と主張

 6月18日の私の一般質問と答弁の概要は以前おしらせしたとおりです。
 その中で私は「武雄市の図書館は、様々な問題が指摘されており、多賀城は真似すべきではない」と主張しました。

 第1に、書庫を10万冊から2万冊に縮小し、事実上つぶしてしまったことです。
 図書館にとって、高密度で書籍を保管する書庫は、①大容量の書籍を保管するため、②開架スペースのゆとりと安全を確保するため、③貴重資料の保全のため、④今後の書籍増加に備えるために不可欠です。現に、宮城県図書館は150万冊の蔵書計画中、書庫の蔵書能力は120万冊。いわき中央図書館は100万冊の蔵書計画中書庫の蔵書能力は65万冊。塩竈市の場合236,000冊の蔵書中、書庫収蔵分が97,000冊。多賀城市の場合、206,922冊の蔵書中、77,395冊が書庫収蔵分です。
 市長に「3月30日に視察に行かれたようだが、書庫はどうなっていましたか」と尋ねましたが答えられず…。「市長は図書館にとって書庫はどうでもよいと思っているのか」となおも尋ねたら、「先ほど教育長が書庫は必要だと答えている…」と逃げました。マスコミに図書館のことをいろいろ語っていたのは市長だったはずですが…。
 ちなみに武雄市の開架スペースの書架の高さは3.9㍍。圧迫感もさることながら、安全性も気になります。

 第2に、作業スペースを「無駄」として5分の1にしてしまったこと。図書館は新刊本を受け入れた際、補強し、番号をつけ、著者名、発行所、内容等のデータ入力を行い、初めて配架されます。また痛んだ本は補修します。こうした作業によって書籍は適切に管理されています。現地からは「書籍がきちんと整理されていない」との報告もあります。

 第3に、蘭学館をつぶしてツタヤのレンタルショップにしてしまったこと。
 私が市長に「武雄市の歴史についてどのように認識されていますか」と尋ねたところ、「組織的に蘭学研究をおこなったところと認識している」ときちんとお答えになりました。しかし「蘭学館がどうなったかご存知ですか」と尋ねたら、「………」。武雄市は蘭学館をつぶしてツタヤのレンタルショップにしてしまいました。これは多賀城にしてみると多賀城市文化センター内の埋蔵文化財調査センターの常設展示室をレンタルショップにしたようなもの。「武雄市さんのことは武雄市の皆さんが決めることだけれど、少なくとも史都を標ぼうする本市にとってはあり得ないことだと思う。市長は「全国史跡整備市町村協議会」(略称:全史協)の会長を2期4年務め、歴史的遺産を守るため全国の先頭にたってきた。その目からみてどうか」と迫りました。市長は「(武雄市さんは)近くに特別展示室がある」と述べるにとどまりました。

 第4に、図書館と書店は、書籍が並んでいるという点では同じだが、内容は似て非なるもの。書店は書籍を売るのが仕事ですからすべて並べ、売れない本は返却します。痛んだ本は売り物にならないので補修をするということもありません。だから作業スペースもいりません。しかし図書館は違います。あまり読まれなくてもたくさんの貴重な本がある。そういう書籍は書庫で保管をする。1冊1冊が税金で購入したものですから痛んだら補修をしてまた提供する。
 なぜ書店のような図書館になってしまったのか(武雄市の場合、設計もCCCに丸投げしたようです)。それはCCCに図書館運営のノウハウがないからとしか思えません。そして現に、同社の定款には「図書館」が出てこないのです。
 市長にこの点を尋ねたら、この問題には答えずに「藤原議員も武雄市に行ってみた方がよい…」私は「行ってみるつもりではあるが、行かなくても分かることはある」と応じました。

 いずれにしても「図書館をツタヤに委ねるなど決めてもいないしマスコミにも一切語っていない。CCCとの間に約束も無い。所管は教育委員会」と言うのが市の公式見解。今後教育委員会での議論が重要になってきます。

2013年6月18日火曜日

6/18 多賀城市長「図書館をツタヤにまかすなど一言も言ってない」と答弁

 本日(6月18日)午前11時25分から12時25分まで、多賀城図書館のツタヤ委託問題で一般質問を行いました。私は「①税金を原資として事業を展開する行政の意思決定過程としても、②住民との共同をすすめるという『第五次多賀城市総合計画』からしても、③所管が教育委員会であることからしても、④2011年新年の片山総務大臣発言を重く受け止めるという教育長答弁からしても、今回、突然の多賀城図書館ツタヤ委託発言は決して容認できない」と市長に迫りました。
 
 市長は「私はマスコミに対し『(図書館を)ツタヤに委ねる』などと一言も言ってない」「『1ヵ月以内に決定する』というのは都市計画決定のことで、図書館の委託先のことではない」と答弁しました。
 
 私は「市長は、公の場所ではそうは言うが、マスコミには訂正を申し入れていない。それでは『マスコミを利用して世論形成を図っている』と思われても仕方がなく、あなたの言葉は決して信用されない。自分の言葉を信じてもらいたかったらマスコミに訂正を申し入れるべきだ」と迫りました。
 市長は「申し入れをしたところでマスコミは応じてくれないと思う。だからしない」と答弁。
 私は「それはそうかもしれない。しかし市長の言葉を議会や市民に信じてもらうには、マスコミが応じるかどうかよりも、訂正を申し入れること自体が大事だ」となおも迫ったところ、市長は「考えてみる」と答弁しました。

 私はさらに「武雄市の図書館を参考にすべきではない」と市長にせまりましたが、その顛末は別に記すことにします。

2013年6月10日月曜日

図書館のツタヤ委託問題で、市民団体が「つどい」を計画

 多賀城市立図書館のツタヤ委託問題で、6月30日(日)午後2時より、市民
活動サポートセンター3F(市文化センター北側)で市民団体が「つどい」を開
催することになりました。
 
 「つどい」名は『図書館をツタヤにまかせてよいのか――新図書館を考える
市民のつどい』です。
 当日は、常世田良氏(立命館大学教授・元浦安図書館長)による講演のほ
か、私が多賀城市の図書館問題をめぐる経過を報告します。また武雄市から
の報告も折衝中です。
 主催は「多賀城図書館友の会」(連絡先 佐藤:022-364-0768)と「くらしと民
主主義、史跡・緑を守る多賀城懇話会」(連絡先 阿部:022-368-1411)です。
主催者は「市内外を問わず、お気軽においでください」と呼びかけています。

 
 

2013年6月6日木曜日

多賀城市立図書館の「ツタヤ」委託(報道)――教育委員会は市長の追認機関か?!

 
 6月4日の多賀城市議会全員協議会の様子を『多賀城民報』第914号に掲載しました。しかし見ずらい点もあろうかと思いますので、一部補筆しブログにアップしました。

 6月4日午後、多賀城市議会全員協議会が開催され「子ども・子育て支援新制度」等の概要説明とともに、図書館移転問題について市教育委員会から改めて「5月22日の定例教育委員会に報告し、概ね了解を得ている」との追加説明がありました。

 この問題について、他会派議員からも「定例の教育委員会で図書館の移転問題が議題となり確認されたということか」との質問が出され、市教委事務局は「議題としてではなく、会議終了後に情報提供ということで説明をした」と答えました。同市議が「それはおかしい」と述べたことに対し、教育長もその指摘を認めました。
 また藤原益栄市議が「その際に説明に使った資料を出していただきたい」と求めたところ、市教委事務局は「資料は出していない。口頭で説明した」と回答。藤原市議は「図書館は昭和42年の仙塩合併を阻止した後、『歴史文化都市をめざそう』と最初に造った施設で、35年の歴史がある。その施設の移転を、資料もなく、議題にもなっていないのに『概ね了解を得た』などと言うのはあり得ない。教育委員会は市長の追認機関なのか」と厳しく批判をしました。
 これらの質疑により、改めて市教委で議論することになりそうです。

 同説明会で藤原益栄市議は菊地市長に対し、「教育委員会がなぜ地方自治体に設置されているのか」「図書館の所管はどこと認識しているか」と尋ねました。市長は「(29日の説明会で述べた)教育長と同様の認識だ」(注)、「所管は教育委員会と認識している」と述べました。
 藤原市議は「その認識は正しい。しかし実際には、市長は教育委員会の権能を飛び越えてマスコミに情報を提供し世論誘導を図っているとしか思えない。『どういう図書館をめざすのか』という議論がなされてもいないのに、なぜ『ツタヤ』と委託先が出て来るのか。日頃『市民との協同』などと言っておきながら、市民無視、議会軽視もはなはだしい」と厳しく批判しました。
 市長は「(マスコミに)ツタヤなどと一言も言っていない」「『担当者同士は会っているのかなと思う』などと話してはいない」など弁解に終始しました。

(注)教育長は『教育事業の政治的中立性、公平性、一貫性を保つため』と述べています。

コラム【東風城月】普通、役所が重要問題を決定する時は住民の声や議会の意見を大事にする。それは、市長のポケットマネーで事業をするならともかく、税金で仕事をするのだから当然である▼だが耳を疑うようなことが多賀城で起きている。35年間の図書館の事業を総括してもいないのに、次期の「図書館基本計画」策定も今からなのに、なぜか市立図書館を大手レンタルショップのツタヤに運営を委ねることが決まっているらしい▼もっともこれはマスコミの報道で、市は「決定したのは駅前への移転だけ」としている。これはこれで全く所管の教育委員会を無視した決定である。市教委は市長の追認機関だとでも思っていたのだろうか▼なぜこういうことになったのか?。手法まで佐賀県武雄市を真似たのでは?。とにかく武雄市長はすごいのだ。突然図書館をツタヤに委ねる「基本合意」を発表する。「合意」は議会に出さない。気にいらない議員は名指しでブログで攻撃する…▼図書館に併設していた歴史資料館「蘭学館」は閉鎖しCDやDⅤDのレンタルショップとして有償で貸し出すことにした。言動、手法、内容ともに、歴史文化都市の品位ある市長が真似をすることではないと思うのだが…。

2013年6月4日火曜日

おかしいぞ「多賀城市の図書館をツタヤに委託」報道――まだ決まってないぞ!

 5月25日、『朝日新聞』朝刊に「ツタヤ図書館宮城も/多賀城市、委託の方針」
と掲載され、全国的に大きな話題となっている。これは、ささやかれてはいたが、
マスコミ発表の前に議会に説明するという慣例からすると、あり得ない報道で、現
地でも驚きをもって受け止められた。26日には『河北新報』も報道した。
 5月29日午後2時から4時まで、多賀城市議会全員協議会で仙石線多賀城駅
前開発について説明会が行われた。当然、マスコミ報道の直後だけに質疑は「ツ
タヤ」問題に集中した。時間に制約があったので、私はいくつか絞って質問をした。
 
 ひとつは「一体市当局は、いつ何の会議で、何を決めたのか」ということ。
 当局から「5月27日の行政経営会議において、図書館を多賀城駅前に移転を
するということ」という答弁があった。つまり、マスコミ報道があったあと、あわてて
決定したということである。
 ところで、多賀城市では特別に条例は制定していないから、所管は教育委員会
である。5月の定例の教育委員会は22日に開催された。しかし、図書館の移転問
題は議題になっておらず、ただ単に情報として報告されたに過ぎない。にもかかわ
らず行政経営会議で決定するのは、教育委員会を、ただ単に「市長の追認機関」
におとしめるものであって、地方自治体になぜ教育委員会が設置されているのか、
その意味を市長、教育委員会に強く問いたいと思う。

2013年5月21日火曜日

「多賀城市被災者住宅再建総合支援制度」の事前相談および申請受け付けのスケジュールが発表されました。

 5月20日午後、多賀城市議会東日本大震災調査特別委員会が開催され、当局から新被災者住宅再建支援制度(「多賀城市被災者住宅再建総合支援制度」)の事前相談および申請受け付けのスケジュールが発表されました。内容については当局文書をご参照ください。
 なお「4 個別通知」については日付ないし時期のあとに「以降順次」と補足説明がありました。
 「多賀城市被災者住宅再建総合支援制度」については『日本共産党多賀城市議団ニュース』が分りやすいと評判です。ぜひ本ブログ「一目でわかる……多賀城市の新しい住宅再建補修支援制度」をご覧ください。


 
 
 






97年の消費税アップで多賀城市の市税収入は10億円の減に…。消費税は地方財政をも壊します!

 安倍内閣は、来年4月から消費税を8%に、再来年10月から10%にしようとしています。
 消費税アップは、まず庶民を苦しめます。
 同時に国家財政に決してプラスにはなりません。国税収入は90兆円から76兆円に、14兆円も落ちてしまいました。
 さらに自治体財政をも苦しめる結果になります。
 多賀城市では97年度の市税収入は83億円でしたが、2004年度には73億円に激減してしまいました。多賀城市に交付された「地方消費税交付金」は、97年度の1億3,280万円から98年度の5億8,415万円に増えましたが、その水準は現在も変わっていません。他方市税収入は景気悪化とその対策の減税で減収を続けました。差し引きでも5億円以上の減収です。
 参考までに昨年の決算議会の際、当局に求め提出された資料を添付いたします。
 他の自治体も同様と思われますが、資料を入手できたらぜひ教えていただきたいと思います。

 消費税は家計を壊し、景気を悪化させ、国税収入も地方税収入も激減させ良いことは何もありません(輸出大企業には還付されますが…)。消費税アップはみんなの力で阻止しましょう。