日本共産党多賀城市議団(藤原益栄、佐藤恵子、柳原清、戸津川晴美)は2011年12月9日午前8時45分より市役所内において、JX日鉱日石仙台製油所から、東日本大震災時の火災発生の経過と今後の地震・津波対策について説明を受けました。これは日本共産党多賀城市議団が、今回の震災で5日間にわたり製油所の火災が続いたこと、大量の油が流失したことを重視し、JXに視察を申し入れたところ、「現在のところ受け入れは困難。こちらから出向いてご説明したい」との申し出があり実現したもの。この説明会には党市議団のほか他会派の3市議(竹谷英昭、昌浦泰已、伏谷修一)も参加しました。
この中でJX側は、火災については、津波により配管が破損し揮発性のある製品が漏れ出し、車のバッテリーや金属同士の接触による火花など何らかの事情により発火したこと、炎が小さくならなかったので14日にヘリを飛ばし上空から眺めたところタンクから次々に油が漏れ出していたことがわかりバルブを閉めたこと、その後急速に炎は小さくなったこと、15日11時頃消火活動を始め午後2時半頃沈下したこと等の説明がありました。また、今後の対策については、今回の火災発生場所の近くにあった多賀城市分の石油精製商品の出荷場所や消火ポンプ車置場を、地盤が1mほど高い七ヶ浜町分の北東方向に移設するなどの対策をとることを明らかにしました。
日本共産党の藤原市議が、「消火活動に入るのが遅かったのではないか」と質したところ、JX側から「津波警報が解除されなかったため近づけなかった」との回答がありました。
また、「自分の施設を守るために、施設をフェンスで囲むなど特別の防御施設が必要ではないか」と質したところ、「防潮堤は行政の仕事」と特に考えていないことが明らかになりました。
今回の説明会は60分という制限があったため、疑問や新たな問題意識が発生した場合、引き続き情報・意見交換を進めることを確認し散会しました。
2011年12月23日金曜日
日本共産党市議団、雨水排水路・ポンプ場等を現況調査
日本共産党多賀城市議団は、12月6、7両日、市内雨水路やポンプ場の現地調査を行いました。また藤原益栄市議は、12日午後3時から独自に仙台市中野雨水排水ポンプ場の視察を行いました。この視察で、桜木2丁目や栄地区の被害が拡大したのは、①本来流入するはずがない多賀城西部地区の雨水が大量に流入したこと、②桜木2丁目の水門が閉められており、雨水がこの地域に集中したこと等が明らかになりました。
(左写真説明)仙台臨海鉄道と旧八幡幹線との交差部分。この部分も桜木側の側面が解放されており、水位が旧八幡幹線の低位に達すると桜木方面に流出するようになっていた。
(左写真説明)高橋地区の雨水を排出する高橋雨水幹線とそれ以外の臨海鉄道から西の雨水を排出する六貫田雨水幹線は、ともに仙台市中野ポンプ場に排出することになっています。県道塩釜亘理線(臨港道路)を西に走っていくと信号がある交差点の右手に大きな建物が見えてきます。それが仙台市中野ポンプ場です。通常は無人で扇町の管理センターで遠隔操作をしています。
12日の藤原市議の調査では、西部地域の雨水が集中するはずの仙台市中野ポンプ場に想定通り雨水が流入していないことが明らかになりました。水位が既存水路にまで達すると桜木方面に流れるようになっていたのですから当然の帰結です。また市は、西部地域の雨水を桜木方面に流すようにしていたことについて「中野ポンプ場がまだ完成していないので…」と弁解していますが、この判断がいかに誤っていたか明らかになりました。
以上の調査をふまえ日本共産党藤原益栄市議は以下の事項につき緊急に対策をとるよう12月13日の一般質問で求めました。
①中央ポンプ場にただちにポンプを増設すること、仙石線高架化にあわせ線路下を整備すること。②西部地区の雨水が桜木地域に流入しないよう、直ちに水路の改修をおこなうこと。
③桜木2丁目の雨水排水路をいかし、砂押川に放流する措置をとること。
(左写真説明)海老鉄鋼の裏。向こうから流れてくるのは高橋地区からの雨水。本来であればこの水路の手前の側面はふさがれており、高橋方面からの雨水はすべて仙台市中野ポンプ場に流れることになっていた。ところがこのような状況になっており、水位が旧八幡幹線の低位まで達すると、桜木(手前)方面に流出するようになっていた。
(左写真説明)仙台臨海鉄道と旧八幡幹線との交差部分。この部分も桜木側の側面が解放されており、水位が旧八幡幹線の低位に達すると桜木方面に流出するようになっていた。
(左写真説明)高橋地区の雨水を排出する高橋雨水幹線とそれ以外の臨海鉄道から西の雨水を排出する六貫田雨水幹線は、ともに仙台市中野ポンプ場に排出することになっています。県道塩釜亘理線(臨港道路)を西に走っていくと信号がある交差点の右手に大きな建物が見えてきます。それが仙台市中野ポンプ場です。通常は無人で扇町の管理センターで遠隔操作をしています。
12日の藤原市議の調査では、西部地域の雨水が集中するはずの仙台市中野ポンプ場に想定通り雨水が流入していないことが明らかになりました。水位が既存水路にまで達すると桜木方面に流れるようになっていたのですから当然の帰結です。また市は、西部地域の雨水を桜木方面に流すようにしていたことについて「中野ポンプ場がまだ完成していないので…」と弁解していますが、この判断がいかに誤っていたか明らかになりました。
以上の調査をふまえ日本共産党藤原益栄市議は以下の事項につき緊急に対策をとるよう12月13日の一般質問で求めました。
①中央ポンプ場にただちにポンプを増設すること、仙石線高架化にあわせ線路下を整備すること。②西部地区の雨水が桜木地域に流入しないよう、直ちに水路の改修をおこなうこと。
③桜木2丁目の雨水排水路をいかし、砂押川に放流する措置をとること。
日本共産党市議団、多賀城市震災復興計画で申し入れ
2011年11月25日、日本共産党多賀城市議団は 「多賀城市震災復興計画」(案)について、以下の申し入れを行いましたので紹介いたします。
平成23年11月29日
多賀城市長 菊地 健次郎 殿
日本共産党多賀城市議団
団長 藤原 益栄
「多賀城市震災復興計画」(案)に対する申し入れ
復旧復興にむけた日夜たがわぬご奮闘、心より敬意を申し上げます。
さて本市は、12月6日にも「多賀城市震災復興計画」を決定するやにうかがっております。本計画は今後の多賀城を左右する重要な計画であり、さらに被災者・市民より意見を募ると同時に、現時点における日本共産党市議団の見解を表明し、申し入れるものです。
記
1.宮内地区の復興策については住民と対話を重ね合意と納得の上で最良の選択を。
市復興計画案は「現地での再建を基本」とするとして、引き続き宮内地区を居住地域に位置付け、災害公営住宅を建設したいとしている。しかし現状のままでの現地復興は、①宮内地区の被害は市内他地域と比し次元の違うものであり、②市内居住犠牲者の2割近くに達し、③市が防御施設を設置するとしている八幡通り公園の南側に唯一存在する居住区となる等から、無理がある。手法は、条件緩和を政府に求め集団移転事業を適用する、防災公園にする、あるいは区画整理を行って嵩上げする等様々考えらるが、見切り発車せず、対話を重ね、納得と合意のもとに最良の選択をすること。
2.災害公営住宅は仮称7小用地に
市計画案は災害公営住宅を宮内に建設するとしているが、上記1の理由により不適当と考える。すでに特別委員会としても提言しているが、桜木区民が避難所としても使用できる施設として仮称7小用地に建設することを提起する。
3.大代地区にも多重防御の立場で大代緩衝緑地公園の北端に防御施設を
今回市計画案は「多重防御」をキーワードのひとつにしているが、大代地区にはその考えが徹底されていない。今回大代地区は津波だけではなく油の流出による被害もうけた。したがって、大代緩衝緑地公園の北端(居住区との境)に防御施設を設置するよう、強く県に働きかけられたい。
4.流域下水道とJX仙台製油所については当事者に特別の防御施設を求めよ。
多賀城市民とりわけ大代地区民は、津波により流域下水道処理施設が機能不全となり悪臭にさいなまされている。早急に修理するのは当然のことであるが、この施設を守るための補強については、県の計画にはない。この施設は仙台市、塩竈市、利府町、七ヶ浜町も使う重要施設であり、特別の防御施設を設けるよう強く県に求めるべきである。
さらにJX日鉱日石仙台製油所の火災と重油流出も、市民を不安におとしいれ、多大な損害を与えた。火災と油流出の経過と原因について詳細な説明を受けるとともに、この施設についても特別の防御施設を設けるよう、強く当事者に求めるべきである。
5.「臨海道路」防御施設としての機能強化を。
本市の特徴は、仙台港に隣接して工場地帯と居住地区が形成されていることである。工場地帯の再生は本市の復興にとっても地域の経済再生にとっても不可欠である。それだけに臨海道路にどういう防御機能を持たせるかはは本市にとって特別の意味をもっている。しかるに、仙台市は塩竈亘理線を地盤高で6m嵩上げし、七ヶ浜町の防潮堤はT.P.6.8mとするのに対し、本市周辺の臨海道路の防御施設はT.P.4.0~4.5mとなっており、かつ「防潮堤」(市)と説明しながら「交差点は切れている」しろもので、とても「防潮堤」と言えるものではない。これでは本市に津波を呼び込むことになりかねない。したがって、臨港線の嵩上げは仙台市と同様にするようするとともに防潮機能を限りなく高めるよう強く県に働きかけられたい。
6.砂押川の補強について
仙台港の防潮堤を強化することにより、津波はさらに砂押川をさかのぼることが予想される。県の計画では多賀城橋までを補強することにしているが少なくとも鎮守橋まで補強するよう求める。また総点検を行い地割れ等については補修し、堆積した土砂については浚渫を行うようもとめること。
7.総合治水対策について
(1)中央ポンプ場、大代ポンプ場などポンプ場未整備ヵ所については早急に設置すること。また、ポンプ設置と仙石線高架化にあわせ、上流域の水路整備等を実施すること。
(2)今回も桜木2丁目と栄で大きな被害が発生した。これは八幡排水区の大半がこの地区に集中することが一因と思われる。砂押川への雨水排水の分散化も検討されたい。また、栄の遊水地については早期に完成させること。
(3)震災で痛んだ汚水管を通じ、泉、利府、塩竈、七ヶ浜等の雨水が大量に多賀城に集中し被害が拡大した。流域全体の早急な修繕を求めるべきである。
(4)地盤沈下への対応、各家庭への貯留施設や遊水地の設置等雨水流下の緩慢化に取り組むなど、総合的な治水対策をすすめること。
(5)住宅の高床式化や基礎上げに対しに補助制度を創設すること。
8.今回の教訓を踏まえた防災対策の見直しについては、防災計画見直しにあわせ提起する予定なので善処されたい。
以上
平成23年11月29日
多賀城市長 菊地 健次郎 殿
日本共産党多賀城市議団
団長 藤原 益栄
「多賀城市震災復興計画」(案)に対する申し入れ
復旧復興にむけた日夜たがわぬご奮闘、心より敬意を申し上げます。
さて本市は、12月6日にも「多賀城市震災復興計画」を決定するやにうかがっております。本計画は今後の多賀城を左右する重要な計画であり、さらに被災者・市民より意見を募ると同時に、現時点における日本共産党市議団の見解を表明し、申し入れるものです。
記
1.宮内地区の復興策については住民と対話を重ね合意と納得の上で最良の選択を。
市復興計画案は「現地での再建を基本」とするとして、引き続き宮内地区を居住地域に位置付け、災害公営住宅を建設したいとしている。しかし現状のままでの現地復興は、①宮内地区の被害は市内他地域と比し次元の違うものであり、②市内居住犠牲者の2割近くに達し、③市が防御施設を設置するとしている八幡通り公園の南側に唯一存在する居住区となる等から、無理がある。手法は、条件緩和を政府に求め集団移転事業を適用する、防災公園にする、あるいは区画整理を行って嵩上げする等様々考えらるが、見切り発車せず、対話を重ね、納得と合意のもとに最良の選択をすること。
2.災害公営住宅は仮称7小用地に
市計画案は災害公営住宅を宮内に建設するとしているが、上記1の理由により不適当と考える。すでに特別委員会としても提言しているが、桜木区民が避難所としても使用できる施設として仮称7小用地に建設することを提起する。
3.大代地区にも多重防御の立場で大代緩衝緑地公園の北端に防御施設を
今回市計画案は「多重防御」をキーワードのひとつにしているが、大代地区にはその考えが徹底されていない。今回大代地区は津波だけではなく油の流出による被害もうけた。したがって、大代緩衝緑地公園の北端(居住区との境)に防御施設を設置するよう、強く県に働きかけられたい。
4.流域下水道とJX仙台製油所については当事者に特別の防御施設を求めよ。
多賀城市民とりわけ大代地区民は、津波により流域下水道処理施設が機能不全となり悪臭にさいなまされている。早急に修理するのは当然のことであるが、この施設を守るための補強については、県の計画にはない。この施設は仙台市、塩竈市、利府町、七ヶ浜町も使う重要施設であり、特別の防御施設を設けるよう強く県に求めるべきである。
さらにJX日鉱日石仙台製油所の火災と重油流出も、市民を不安におとしいれ、多大な損害を与えた。火災と油流出の経過と原因について詳細な説明を受けるとともに、この施設についても特別の防御施設を設けるよう、強く当事者に求めるべきである。
5.「臨海道路」防御施設としての機能強化を。
本市の特徴は、仙台港に隣接して工場地帯と居住地区が形成されていることである。工場地帯の再生は本市の復興にとっても地域の経済再生にとっても不可欠である。それだけに臨海道路にどういう防御機能を持たせるかはは本市にとって特別の意味をもっている。しかるに、仙台市は塩竈亘理線を地盤高で6m嵩上げし、七ヶ浜町の防潮堤はT.P.6.8mとするのに対し、本市周辺の臨海道路の防御施設はT.P.4.0~4.5mとなっており、かつ「防潮堤」(市)と説明しながら「交差点は切れている」しろもので、とても「防潮堤」と言えるものではない。これでは本市に津波を呼び込むことになりかねない。したがって、臨港線の嵩上げは仙台市と同様にするようするとともに防潮機能を限りなく高めるよう強く県に働きかけられたい。
6.砂押川の補強について
仙台港の防潮堤を強化することにより、津波はさらに砂押川をさかのぼることが予想される。県の計画では多賀城橋までを補強することにしているが少なくとも鎮守橋まで補強するよう求める。また総点検を行い地割れ等については補修し、堆積した土砂については浚渫を行うようもとめること。
7.総合治水対策について
(1)中央ポンプ場、大代ポンプ場などポンプ場未整備ヵ所については早急に設置すること。また、ポンプ設置と仙石線高架化にあわせ、上流域の水路整備等を実施すること。
(2)今回も桜木2丁目と栄で大きな被害が発生した。これは八幡排水区の大半がこの地区に集中することが一因と思われる。砂押川への雨水排水の分散化も検討されたい。また、栄の遊水地については早期に完成させること。
(3)震災で痛んだ汚水管を通じ、泉、利府、塩竈、七ヶ浜等の雨水が大量に多賀城に集中し被害が拡大した。流域全体の早急な修繕を求めるべきである。
(4)地盤沈下への対応、各家庭への貯留施設や遊水地の設置等雨水流下の緩慢化に取り組むなど、総合的な治水対策をすすめること。
(5)住宅の高床式化や基礎上げに対しに補助制度を創設すること。
8.今回の教訓を踏まえた防災対策の見直しについては、防災計画見直しにあわせ提起する予定なので善処されたい。
以上
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