2015年7月16日木曜日

中村善吉市議(当時)になぜ辞職勧告決議がなされたか?

 ご存知のとおり、4年前(2011年6月21日)、多賀城市議会は全会一致で中村善吉市議に対し辞職勧告決議を可決した。以下はその際の市議会だよりである。





































 これに対し、中村氏は、あの辞職勧告決議は無効だった、と以下のように盛んに主張している。
 http://www.pathos.ne.jp/~nakamura/kaiho/no28/index.html

 きっかけとなったのは、決議にもあるように、中村市議(当時)も賛成して作られた子宮頸がんワクチンの接種について、同市議が不妊になる、性道徳が破壊する等不安をあおったことにあった。今日からみれば、中村市議(当時)の理由はともかく、深刻な副作用を起こすことが明らかとなり、根本的に言えば厚労省の治験が不十分であったことが理由ではあるが、認識不足であったことについて私も責任の一端を感じている。

 しかし、そのことをもって、「中村市議(当時)に辞職勧告を行ったことは誤りだった」との声は、多賀城市議会内には全くない。なぜか。それは中村市議(当時)が同僚市議に対し、荒唐無稽の誹謗中傷を繰り返していたからである。

 その1つは、2010年8月25日付『顕正新聞』で報道された中村市議(当時)の発言内容であった。同紙には次の文章があった。

 「ほとんどの議員が信念を持たず、ただ市長(議長の間違いだったようですー引用者)になりたくて、又名誉や地位、おカネを得たくて活動している」
 「多賀城市議会議員が、区画整理にかこつけて、多額のカネ儲けをした」
 「市議会で『今の教科書は改正すべし』と叫んでも、他の議員から様々な圧力をかけられ、全く用いられず、議員同士が醜い争いに終始」。

 公明党の根本朝栄市議から「問題ではないか」との提起があり、議運として、「本当にそういう発言をしたのか」「根拠は何か」等を質した。中村氏は以上の発言をしたことを認め、根拠はなかったと謝罪し、同年9月28日に全議員に対し「お詫び状」(①)を提出した。





 













 中村氏の讒言はその後も続きまたも問題となり、全市議に対し次のような2度目の「お詫び状」が提出された。





























 上記「お詫び状」(②)は中村善吉市議(当時)が自ら議会に提出したものであって、私があれこれ注釈をすべき問題でもないが、議事録削除問題だけは私も深くかかわっていたので、若干解説をくわえることにする。
 2010年3月3日、中村善吉市議(当時)は教科書問題について(現在使用されている教科書は間違っている。扶桑社等の教科書を採用すべきであるとする)一般質問をおこなった。その際私は、中村氏の発言内容があまりに歴史的事実を無視した我田引水の議論が含まれていたために最小限の削除を要求し、議運で話し合われることになった。
 私が問題にしたのは以下の点である。

 「我が国はコミンテルン(世界共産党組織)の中国共産党側の謀略でシナ事変(日中戦争)を仕掛けられ…」
 「教科書は歴史よりも政治を優先する中国と韓国の検閲を受けるようになりました」
 「中学生から歴史の授業後、感想文の提出はいかがかであります。かつて本市では感想文等の提出がないようでしたら、ぜひ実施していただきたい」

 中村氏は、日中戦争は中国共産党の謀略で始まったものであり、それを書かない教科書はおかしい、また現在の教科書は中国や韓国の検閲を受けているから、扶桑社や自由社の教科書にすべきである、という訳である。これは明らかに事実にもとづかない思い込みの作文である。感想文問題については、議会の教育に対する過度の干渉であり、教育の独立を無視した行き過ぎの議論であると考え削除を要求した。
 私は、議会の議論は広く補償すべきだと考えていたので、以上の、特に事実に反する点、過度の干渉と取られると思われる点についてしぼり削除を要求した。議運ではむしろ(自民党籍のある)保守系から強い批判が出て、中村氏は全面削除のに近い削除を受け入れ、同年3月12日に、次のように議事録削除の申し出をおこなった。




















 石橋議長は、中村市議(当時)のこの申し出にもとづき議事録削除の手続きをとった。

 ところが中村氏は自らの申し出で削除をしたことを忘れたかのごとく『中村善吉後援会会報第20号(補充版)』で次のように書いた。

 「更に、本年・平成22年3月第1階定例議会(石橋源一議長)では、(共産党議員から)私の発言中の用語に批判を発し、議運(議会運営委員会)を開催、一般質問の会議録から私の発言個所の全部を(本人からの発言のかたちで)削除させられた。/特に、前議長も積極的?に発言して、今回の議運での全議員発言部削除決定に及んで多賀城市議会史上最悪の極みとなりました。しかし、この8月末には市長選が予定されていたので、平成20年12月と同様、表沙汰にすることを控えたのであります。/多賀城市議会には言論の自由は、存在せず、法治国家の市議会とは無縁のようであります。近隣の市議会、町議会議員もたがじょうし議会の実態を知って、「えっ!そんなことできるの?」とびっくりでした」

 この結果、中村氏は「お詫び状」(②)を提出することになった。
 中村氏は、自分の言動が正しいと思うなら、「お詫び状」など出さずに、徹底的に頑張ればよいのである。ところがすぐに詫び状を提出してしまう。ところが本質的な反省はしていないので、すぐに地域で、ネット上で、後援会法で、多賀城の議会には自由がないなどと攻撃を初めてまた詫びる。これを繰り返したわけである。

 経過は以上のとおりであるが、中村氏は、氏がかつて所属していた自民党籍をもつ方々の会派も含め、辞職勧告決議が全会一致で可決されたことの持つ意味を重く受け止めるべきであろう。(2015年7月16日、戦争法衆院通過の日に)

2015年1月24日土曜日

多賀城新図書館等の起工式にあたり藤原益栄団長が談話

 新多賀城図書館等の起工式にあたって
2015年1月21日 日本共産党多賀城市議団長 藤原益栄

一、21日10時30分より、新多賀城図書館等多賀城駅北地区ビルの起工式が行われました。全体として多賀城駅周辺が本市の賑わいの拠点となっていくことについては私ども日本共産党多賀城市議団としても期待をしています。
一、問題にしてきた図書館については、駅前への移転には賛意を表明しつつ、同施設が多くの市民が半世紀近くにわたり利用される施設であることから、「最も混雑するであろう一階の商業施設のトイレが男女各2基しかない」「1500㎡の床面積の現図書館の事務室・作業室が108㎡なのに、3450㎡の新図書館の事務室・作業室は50㎡にも満たない」「(図書館と離れた)商業施設の北側になぜ図書館と商業施設の共同事務所を設けるのか」「滞在型の施設をめざすなどと言いながら会議室や学習室(あるのはコーナー)がない」等、様々な問題を提起してきました。しかしこれらの提起は、満足に検討されることなくこのほど着工の運びとなりました。多くの問題を抱えつつの見切り発車に、開館後の図書館運営に大きな支障が発生することを心から懸念をしています。
一、図書館の所管官庁は市教育委員会でしたが、「商業施設との同居なので…」と終始まじめな検討は行われませんでした。たとえば、市教委として最終図面を確認したのは、入札(10/24)約一ヵ月後の11月19日でした。また、商業施設の北側に図書館との共同事務所を設けることは最終図面で初めて明らかにされましたが、「どの段階で説明を受け了解したのか。どういう検討をしたのか」の私の質問に答えられませんでした。こうして事実上、設計から運営までCCCに丸投げされ、市図書館は「CCC会館図書館部」ともいうべき施設になろうとしています。市教委は商業施設と同居するからこそこれらの問題を真剣に検討すべきでした。市教委の責任放棄は末永く問われ続けることになると思います。
一、こうした背景には、菊地多賀城市長が樋渡前武雄市長の手法を一部真似たことがあります。樋渡氏は2012年5月、突然、「武雄図書館をCCCに委ねる」と東京と佐賀県庁で記者会見をおこない、議会では満足な答弁をせず、批判者はツイッター上で「特殊市民」「ゴキブリ以下」などと攻撃を繰り返しました。菊地市長の場合、これほど極端な手法はとりませんでしたが、市長とCCCとの合意内容に沿う結果を出すよう市教委に求めたことは容易に類推できます。こうした手法は、最近建設あるいは建設しようとしている一関市や大崎市などが、市民や司書の意見に丁寧に耳を傾け図書館建設を進めたことからみても極めて特異なものであり、また、近くで前武雄市長の手法を見てきた佐賀県民が知事選でノーの結果を出したように、地方自治の本旨から逸脱しており、肯定されるべきものでないとかんがえます。
一、私ども日本共産党市議団としましては、限られた条件下にはなりますが、図書館を社会教育施設に相応しい施設にしていくために、今後とも最善の努力を払ってゆきたいと考えています。以上

2014年4月20日日曜日

4月15日、新多賀城図書館の図面が説明されました。

 4月15日の「東日本大震災調査特別委員会」(多賀城市議会に設置されている委員会)で新多賀城図書館の現時点での図面が説明されました。

 さしあたり私どもは以下の点を問題にしています。
図書館と商業施設は分けているとはいっても自由に行き来できる。
②図書館について、1階は賑やかに、2階は書斎に、3階は研究室に言っているが、3階まで吹き    抜けでしかも通路が解放されており、結局 1~3階を通しうるさい施設になる危険がある。
③1~3階をとおし、図書館と商業施設を分ける商業施設側の壁を、結局「書庫を兼ねる」 と称し床から天井まで本を重ね、デザインとして使おうとしている。
④図書館の事務室・作業室と書庫が極端に狭い。
⑤1階の商業スペースにトイレがなく、図書館のトイレを使うようになっている。
 
説明を受けた現時点での図面は以下のとおりです。
 
 
 
 
 



 
 
 
 

2014年4月7日月曜日

多賀城市議会、図書館指定管理条例を可決!柳原清市議が反対討論。

 3月27日に開催された多賀城市議会第1回臨時会に、図書館を指定管理することができるという
議案第35号多賀城市立図書館条例の一部を改正する条例」が提案され、賛成多数で可決されました。賛成は自民・公明市議ら11人、反対は共産・民主ら6名でした(定数は18名です)。

 
 質疑で藤原市議は「直営の場合と指定管理した場合のコスト比較表を出せ」と求めましたが「今から試算する」として提出しませんでした。藤原市議は「コスト比較もしないでなぜ指定管理という結論になるのか」と糾しました。
 
 また藤原市議は「指定管理をして、司書にレジ打ちをさせている自治体もある。多賀城はどうするのか」と質したところきょうい教育長は「いろいろある」と答弁。同市議が「指定管理料に商業施設の人件費が入っているのか」と質すとようやく「そんなことはさせない」と答えました。
 
 武雄図書館では司書にレジ打ちもさせており、この答弁を本当に守れるのか注視が必要です。
 
 日本共産党市議団を代表し柳原清市議が以下の討論を行いました。

 

 日本共産党市議団を代表し、「議案第35号多賀城市立図書館条例の一部を改正する条例」について反対の討論を行います。
 この条例は「図書館の業務を指定管理者に行わせることができる」というものですが、市教育委員会は昨年12月、「指定管理者にCCCを候補者として予定している」ことを表明しており事実上、CCCへの指定管理と一体の条例であります。従って、賛成することはできません。
 一昨日も「多賀城市立図書館を考える市民の会」から「指定管理制度導入の再検討を求める署名」が提出されましたが、未だに市教育委員会は市民からのパブリックコメントも求めず、市民の意見よりCCCの意見のみに耳を傾ける姿勢を変えようとしておりません。 本年第1回定例会佐藤恵子議員の反対討論でも述べましたが、新図書館は施設面でも、運営面でも大きな問題を持っております。
 まず施設面ですが、1階から3階まで図書館と商業施設を併設する方向で進んでいます。これは出店業者に何かあった場合、他に使いでのない施設になってしまうという点、及び子どもたちが安心して利用できるかどうか、将来に禍根を残すのではないかと危惧をいたします。また、1階から3階まで、床から天井まで本を積み上げ、幅1.5メートルの脇は吹き抜けとなっており、安全上大きな問題をもっています。
  運営面では、本当にCCCに図書館を委ねて良いのか、真面目な検討がなされたとは到底思えません。CCCの社長は「図書館は本のレンタル屋だ」と言い放ち、武雄市図書館では司書が物販のレジ打ちを行っています。このような団体を「高度な専門性を有する」として公募によらない指定管理先とし、また指定管理と直営の場合のコストの比較表といった基礎的な資料さえ提出しないという肝心な事を検討しないまま指定管理を行おうとしております。
 こうしたことがどういう手法で実行されようとしているか。視察に行っても満足な復命書が書かれない、すでに昨年7月段階で指定管理に向けCCCと協議をする、立派な復命書を書いても課長判断によりメモ扱いにされ議会に隠す、議会に説明した資料であっても「部外秘」にする、議会で様々問題を指摘しても真面目な検討をしない、図書館協議会の皆さんからの意見も無視する、住民からの意見は求めないなど、従来の本市からしますと考えられないようなやり方が横行しています。
図書館を愛する市民からは「新図書館を私たちは大変楽しみにしていました。私たちから図書館を一緒に作っていく楽しみを奪わないで下さい」との声が出されています。市民の声を聴かない図書館が市民から愛される図書館になりうるのでしょうか。
 自治体の主人公は住民であり、住民とともに歩むというのが本市のモットーだったはずであり、図書館は図書館の理念をつらぬくというのが昨年6月議会での答弁でした。いまいちど原点に立ち戻ることを強く求め反対討論といたします。

2014年3月8日土曜日

佐藤恵子市議がおこなった2014年度予算への討論を紹介します。

 日本共産党市議団を代表し、「議案第26号 平成26年度多賀城市一般会計予算」から「議案第32号 平成26年度多賀城市水道事業会計予算」までの各予算案について、一括して討論をおこないます。
【1】どういう国家予算の中での予算だったか
 まず、どういう国家予算の中での予算だったのかという問題です。
 ①ひとつには、消費税が5%から8%に引き上げら8兆円もの増税がおこなわれます。前回の消費税引き上げは、97年の橋本内閣時代で3%から5%への引上げでした。この時には緩やかな景気拡幅がすすみ、働く人たちの給料も引きあげられる中での引上げでしたが、たちまち景気は後退し、本市の市税収入は97年度の83億円から98年度は78億円に落ち込み、2004年にはとうとう73億円にまで落ち込みました。もちろんこれは政策減税等もあり消費税引き上げによる景気後退だけが原因ではありませんが、いずれにせよ消費税の増税が引き金になっています。
 今回の場合、前回と比べても、働く人たちの平均給与年額が97年の446万円から16年間で70万円近くも減額している、国内総生産の四半期ごとの実質成長率を見ましても、2013年1~3月期は4.5%、4~6月期が3.6%、7~9月期が1.1%と景気が減速するなかでの引上げになるなど、一層悪い条件のなかでの引上げとなります。
 私どもは消費税の引き上げは、家計を壊し、景気を壊し、財政を壊すと批判をしてまいりました。政府も景気後退を懸念して、「臨時福祉給付金」や「子育て世帯に対する臨時特例給付金」を支給しますが、いずれも1年限りであり、前回以上の急激な景気後退と税収減は必至です。財政の側面から見てもゆめゆめ幻想は持つべきではありません。
 ②二つめですが、それ以外にも、2015年度以降に購入する新規軽自動車の軽自動車税は、自家用乗用車で7200円から1万8000円に、貨物用自家用車で4000円から5000円に、50cc以下のバイクの標準税率が1000円から2000円になるなど増税されます。また復興特別住民税の徴収が開始されます。
 ③三つめに、年金の引き下げ、70歳から74歳までの患者負担が、4月以降に70歳になる方から2割に引き上げられる、介護保険では「要支援」の高齢者への介護保険給付の打ち切りをする、特養ホームの入所要件を「要介護3」以上にするなどの社会保障分野での制度改悪が実施されます。
 ④四つ目に、大企業には様々な恩恵措置をとっており、一般マスコミからも批判が出ております。とりわけ復興特別法人税は、復興特別住民税が25年間、復興特別住民税が10年間の課税なのに対し、法人税率をいったん30%から25.5%に引き下げたうえ、その1割を3年間に限定して課税する、というものでしたが、それも2年でやめることにいたしました。
 ⑤こうした結果、2014年度末の長期債務残高は、国が811兆円、地方が200兆円、合わせて1010兆円と、消費税引上げにもかかわらず、財政破たんは一層深刻になろうとしています。

【2】各種事業の問題点について
 次に本市の予算についてであります。

 ①まず第1に、住民の暮らしへの配慮についてであります。
 さきほど触れましたように、そうでなくとも国の施策により、住民負担がめじろ押しであります。それだけに、市民の暮らしをまもるために出来得る限りのことを模索すべきだと思います。ところが市は、各種料金に対する消費税も実にあっさりと転嫁することにいたしました。
 とりわけ水道料金については、26年度も5036万円の黒字見込みであり、かつ26年度末に約5億円の正味運転資本を持っていることからも、また今後、県への負担金が下がることを考えても消費税負担分くらいは水道料金を下げて対応すべきだったと思います。

 ②第2に、福祉医療分野についてです。
 「議案第28号 平成26年度多賀城市国民健康保険特別会計予算」につきましては、今回5割軽減、2割軽減の対象が拡大され、2割軽減について新たに国の助成措置がとられることになりました。また、被災者医療費自己負担助成することについては評価をいたします。しかし国保は依然厳しい状況におかれていまして、これは国庫負担割合が大きく引き下げられてきたことに原因があります。政府に対する批判の意味をこめて反対をさせていただきます。
 また、同様に「議案第29号 平成26年度多賀城市後期高齢者医療特別会計予算」「「議案第30号 平成26年度多賀城市介護保険特別会計予算」につきましては反対を表明いたします。

 ③第3に被災者支援・復興関係の事業についてであります。
 いよいよ災害公営住宅が、桜木を初めとして次々と完成することになりました。またそれにともない、入居支援で最大50万円まで「災害公営住宅入居費用支援制度」を創設し支援することになりました。これらについては評価をいたします。
 同時に、25年度補正、26年度予算の審議を通じ、「東日本大震災復興基金」、
とりわけ「津波被災住宅再建支援分」が現在の制度のままでは有効に使いきれない可能性が大きくなってまいりました。この問題については、質疑のなかで、副市長が全体的な見直しを約束いたしましたので、守っていただくようお願いいたします。
 さらに言わせていただきますと、震災直後から被災者支援という点では「自己資金は使わない」という非常に小さな構えがこうした事態を招いているということを率直に指摘したいと思います。

 ④第4に新図書館の問題についてであります。
 まず、駅北周辺整備について申しますと私どももその成功を祈っております。同時に、藤原市議が昨年の6月議会で指摘し、市長もそのとおりと認めましたように、図書館を賑わいの手段としてはならない、図書館は図書館としての論理をつらぬき、結果として賑わいに貢献する、それが本来の在り方であります。
 ところが、市当局は、CCCの意向のみに耳を傾け、市民からは意見を求めずに新図書館を建設しようとしております。
 ひとつに、設計上の問題であります。
 最初は1~2階を商業施設にし3~4階を図書館にしようという計画でありましたが、1階から3階まで図書館と商業施設を併設する方向で進んでいます。これは二つの点で――出店業者に何かあった場合、他に使いでのない施設になってしまうという点、子どもたちが安心して利用できる公共施設になるかどうか――という点において、将来に禍根を残すのではないかと危惧をいたします。また、1階から3階まで、床から天井まで本を積み上げ、幅1.5メートルの脇は吹き抜けとなっておりまして、安全上も大きな問題をもっております。
 二つめに、本当にCCCに図書館を委ねて良いのか、真面目な検討がなされたとは到底思えません。市当局は「武雄図書館は成功している」と言うかもしれません。しかし武雄図書館は商業施設として成功しているのであって、図書館としてどうかという評価はまだくだせる段階ではありません。また、CCCの社長は「図書館は本のレンタル屋だ」と言い放ち、図書館カンパニー社長は「図書館にはいったこともない」などビックリするような発言をしており、すでに昨年9月にこの問題を提起していますが、真面目に検討するどころか、こうした発言を擁護する捻じ曲げた解釈までして強行しようとしています。また、Tカードについては、武雄市でも最も大きな問題になったにもかかわらず、いまだに検討をしていないとのことであります。
 三つめに、こうしたことがどういう手法で実行されようとしているか。
 視察に行っても満足な復命書が書かれない、すでに昨年7月段階で指定管理に向けCCCと協議をする、立派な復命書を書いても課長判断によりメモ扱いにされ議会に隠す、議会に説明した資料であっても「部外秘」にする、
議会で様々問題を指摘しても真面目な検討をしない、住民からの意見は求めない、従来の本市からしますと考えられないようなやり方が横行しています。
 そもそも自治体の主人公は住民であり、住民とともに歩むというのが本市のモットーだったはずであり、図書館は図書館の理念をつらぬくというのが昨年6月議会での答弁でした。いまいちど原点に立ち戻ることを求めたいと思います。

 ⑤第5に、一本柳の工業団地と農地の大規模集積と土地利用構想の問題についてであります。
 本年度予算に「津波復興拠点整備事業」として30億4120万円が計上されるなど、一本柳地区への工業団地造成事業が本格化することになりました。
造成費、雨水対策費を含めると、7~80憶円になるだろうと思います。その全額が復興交付金事業としてほぼ全額が国から交付されます。うまくやったといえば言えると思います。しかし、もっと広い視点で見て、投資対効果という点で非常に大きなロスがあり、本当に必要な事業だったとは思えません。
 まず、これまで何度も指摘してきましたように、治水環境を著しく悪化させます。ふたつめに、本市の活性化というのだったら、まず、被災した後も頑張っている企業に敬意を表し、桜木地区の工業団地の再生に全力を上げるべきだったと思います。
 「大区画圃場整備事業」について議論がありました。山王駅の南地区についてこの事業を行なうことについて、地権者の間にもさまざま意見があり、この事業から除かれる可能性もあるとのことだそうであります。
 この問題では、私どもは、第5次長期総合計画の土地利用構想見直しの際に、「山王駅南地区については、駅周辺に相応しい活用を」と意見を申し上げました。その立場から再検討をしていただきたいと思います。

 ⑥第6に、住民と歩む市政、行政の公開・透明性の問題についてであります。
 すでに新図書館のところでふれさせていただきましたが、これまででは考えられなかったようなことがつぎつぎ起こっております。これは単に図書館の問題に限ったことではありません。市政全般について、自己検討をやっていただきたいと思います。
 以上、主として問題点について指摘させていただきました。一つ一つ触れる余裕はありませんが、もちろん「第一下馬踏切拡幅事業」「地域交通ネットワーク構築事業」「インフルエンザ予防接種助成事業」、城南小学校をはじめ各学校の環境整備事業等々評価できる事業もたくさん含まれております。これらについてはもちろん評価をし、また「議案第27号 平成26年度多賀城市災害公営住宅整備事業特別会計予算」「議案第31号 平成26年度多賀城市下水道事業特別会計予算」については賛意を表明し討論といたします。
 

2014年3月4日火曜日

2/25 市長「『図書館は本のレンタル屋』(CCC社長)の真意を確かめる」と答弁

 25日、一般質問に立った藤原益栄市議は「多賀城市教委の図書館の基本方針と、CCCの図書館観は根本的な違いがあるのに、なぜCCCに指定管理ということになるのか」と質しました。菊地市長は「社長に会って真意を確かめる」と答えました。(『多賀城民報』2014.2.28より)

【藤原】第二次基本計画は『これからの図書館像』をふまえているか
【教育長】当然である

  藤原市議はまず、菊地教育長に次のように質しました。
「平成18年3月に文部科学省生涯学習政策局の諮問をうけ、〈これからの図書館の在り方検討協力者会議〉が『これからの図書館像~地域を支える情報拠点をめざして~』という報告を出している。そこでどういうことが提起されているか。〈これまで日本の図書館は本の貸し出し中心に事業を展開し発展してきた。しかし今からの図書館は地域を支える情報拠点、すなわち、地域の課題解決支援や調査研究の要望にきちんと応えていかなければならない。そのために資料も書籍だけではなく、新聞、雑誌、チラシなど多様に収集し、また郷土資料をネットでも調べられるようにするなど(印刷物とIT両方を備えた)ハイブリット図書館をめざし、司書が利用者の質問に答えるレファレンス事業に力を入れる必要がある〉。本市教委の『第二次図書館基本計画』も当然この報告を踏まえていると思うがいかがか」
 この質問に対し菊地教育長は(しばらく意味不明の答弁を繰り返しましたが、最後には)「当然ふまえている」と答えました。

【藤原】図書館の考え方が根本的に違うのに、なぜCCCに委ねるということになるのか
【教育長】………

 この答弁を受け藤原市議は「つまり市教委の立場も『これからの図書館像』と同じ立場だということだ。ところが市教委が図書館を委ねようとしているCCCの増田宗昭社長は昨年7月6日の講演で次のように述べている。『すべてセルフPОSだし実際には本のレンタル屋だ。要するに図書館なんてものはない(会場笑)。名前は図書館だが、本のレンタル屋だ』(あすか会議2013)。つまり図書館は本を貸し出してさえいればよいというのがCCCの立場である。図書館に対する考え方が根本的に違うのに、なぜ公募もしないでCCCに図書館を委ねるということになるのか」
 菊地教育長は結局答弁不能に陥りました。板橋恵一議長から「増田社長をよく知っている方が答弁してください」
と促されると菊地市長は「増田社長に会って真意を確かめます」と答えました。
 この問題はすでに昨年の9月議会で柳原清市議が取り上げています。こうした問題を検討もせずCCCを指定管理の候補者として決定した市教委の態度はまったく無責任というほかありません。

2013年7月28日日曜日

高さ3メートルのところに児童書がずらり…

日本共産党多賀城市議団として、24日午前中に伊万里市の図書館、午後武雄市の「図書館」、25日午前、指定管理から直営に戻した小郡市の図書館を視察して来ました。さしあたらり武雄市の「図書館」を見ての感想を綴ることにします。

①まず高い書架に圧迫感を感じました。個人差もあるのでしょうが、解放感と対極にある施設に、少なくとも私は「いつまでもいたい」などとはまったく思いませんでした。
②座って閲覧できる場所も少なく、「座りたい方はスタバにどうぞ…」と誘導されているようで不愉快に感じました。
③一番びっくりしたのは、高さ3メートルのところに児童書がずらり…。「いったいこの本は飾りなのか、読んでもらいたいのかどっちなんだ」と益々不愉快になりました。そして隅に追いやられた読み聞かせの場所…。子どもがとても粗末にされているように感じました。
④それは子どもに対してだけではありません。新聞コーナーも奥に追いやられていました。
⑤二階の回廊式の30メートルにわたる高さ4メートルの高架書架の一番上は張りぼて。CCCは張りぼてがとても好きなようです。上から二段目には『朝日新聞』の縮刷版。ご存知のとおり、新聞は、妹尾河童さんがそれを使って『少年H』を書いたように、実証的に歴史を検証するにはとても大事な資料です。それが高さ3.7メートルのところにずらり。やはり活用して欲しいというよりも飾りにされている感じです。しかも「高所の書籍をお入用の方はスタッフにお申し付けください」と張り紙があるのですが、二階にはスタッフはいませんでした。
⑥武雄市の首脳は「蘭学館は閉鎖したのではなく移動したのだ」としていますが、展示は申し訳程度に映りました。
⑦書店としても雑誌中心で、とても中途半端に思いました。そもそもあのスペースに書店スペースを設けること自体が無理ではなかったか、と感じました。
 総じて、「もはやこれは図書館ではない」というのが私の率直な感想で、「なぜマスコミが無批判にもちあげるのか、まったく理解できない」との思いを強くしつつ帰途につきました。

 他方伊万里の図書館は素晴らしかったです。それはのちほど…。