6月18日の私の一般質問と答弁の概要は以前おしらせしたとおりです。
その中で私は「武雄市の図書館は、様々な問題が指摘されており、多賀城は真似すべきではない」と主張しました。
第1に、書庫を10万冊から2万冊に縮小し、事実上つぶしてしまったことです。
図書館にとって、高密度で書籍を保管する書庫は、①大容量の書籍を保管するため、②開架スペースのゆとりと安全を確保するため、③貴重資料の保全のため、④今後の書籍増加に備えるために不可欠です。現に、宮城県図書館は150万冊の蔵書計画中、書庫の蔵書能力は120万冊。いわき中央図書館は100万冊の蔵書計画中書庫の蔵書能力は65万冊。塩竈市の場合236,000冊の蔵書中、書庫収蔵分が97,000冊。多賀城市の場合、206,922冊の蔵書中、77,395冊が書庫収蔵分です。
市長に「3月30日に視察に行かれたようだが、書庫はどうなっていましたか」と尋ねましたが答えられず…。「市長は図書館にとって書庫はどうでもよいと思っているのか」となおも尋ねたら、「先ほど教育長が書庫は必要だと答えている…」と逃げました。マスコミに図書館のことをいろいろ語っていたのは市長だったはずですが…。
ちなみに武雄市の開架スペースの書架の高さは3.9㍍。圧迫感もさることながら、安全性も気になります。
第2に、作業スペースを「無駄」として5分の1にしてしまったこと。図書館は新刊本を受け入れた際、補強し、番号をつけ、著者名、発行所、内容等のデータ入力を行い、初めて配架されます。また痛んだ本は補修します。こうした作業によって書籍は適切に管理されています。現地からは「書籍がきちんと整理されていない」との報告もあります。
第3に、蘭学館をつぶしてツタヤのレンタルショップにしてしまったこと。
私が市長に「武雄市の歴史についてどのように認識されていますか」と尋ねたところ、「組織的に蘭学研究をおこなったところと認識している」ときちんとお答えになりました。しかし「蘭学館がどうなったかご存知ですか」と尋ねたら、「………」。武雄市は蘭学館をつぶしてツタヤのレンタルショップにしてしまいました。これは多賀城にしてみると多賀城市文化センター内の埋蔵文化財調査センターの常設展示室をレンタルショップにしたようなもの。「武雄市さんのことは武雄市の皆さんが決めることだけれど、少なくとも史都を標ぼうする本市にとってはあり得ないことだと思う。市長は「全国史跡整備市町村協議会」(略称:全史協)の会長を2期4年務め、歴史的遺産を守るため全国の先頭にたってきた。その目からみてどうか」と迫りました。市長は「(武雄市さんは)近くに特別展示室がある」と述べるにとどまりました。
第4に、図書館と書店は、書籍が並んでいるという点では同じだが、内容は似て非なるもの。書店は書籍を売るのが仕事ですからすべて並べ、売れない本は返却します。痛んだ本は売り物にならないので補修をするということもありません。だから作業スペースもいりません。しかし図書館は違います。あまり読まれなくてもたくさんの貴重な本がある。そういう書籍は書庫で保管をする。1冊1冊が税金で購入したものですから痛んだら補修をしてまた提供する。
なぜ書店のような図書館になってしまったのか(武雄市の場合、設計もCCCに丸投げしたようです)。それはCCCに図書館運営のノウハウがないからとしか思えません。そして現に、同社の定款には「図書館」が出てこないのです。
市長にこの点を尋ねたら、この問題には答えずに「藤原議員も武雄市に行ってみた方がよい…」私は「行ってみるつもりではあるが、行かなくても分かることはある」と応じました。
いずれにしても「図書館をツタヤに委ねるなど決めてもいないしマスコミにも一切語っていない。CCCとの間に約束も無い。所管は教育委員会」と言うのが市の公式見解。今後教育委員会での議論が重要になってきます。
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